【参加レポート】カスタマーサクセス カンファレンス -BRIDGE 2020- へ参加しました! DAY2 #CSカレッジ
DAY1 に続き、僭越ながら、日本最大級のカスタマーサクセスカンファレンスである BRIDGE 2020 への参加レポートとなります!
開催概要
近年、国内外で大きな盛り上がりを見せる"カスタマーサクセス"。
事業成長に貢献する経営的重要性から多くの企業が様々な取り組みを始めています。
その中で生まれた知見や成功事例を学び合える場として、カスタマーサクセスに携わる 全ての方の成功の一助になるべく、カンファレンスの開催に至りました。
- 【Day0】 2020/11/08 19:00 - 21:00
- 【Day1】 2020/11/09 12:15 - 20:15
- 【Day2】 2020/11/10 12:15 - 20:15 ◀︎◀︎◀︎ 本記事はこちらのレポートとなります。
【基調講演】カスタマーサクセスはマーケティングがお好き 〜カスタマーマーケティングの蜜と毒〜
登壇者
- Asana Japan株式会社 長橋 明子 氏
カスタマーマーケティングとは?
- "カスタマーマーケティング" = "カスタマーサクセス" x "マーケティング"= ???
- 今日のセッションでお話しすること
- マーケティングを全社視点でカスタマーサクセス仕様にアップデートすることの重要性
- カスタマーサクセスとマーケティングを融合しようとすると発生する蜜と毒について
- カスタマーマーケティングのはじめかた
- カスタマーサクセスのハイタッチがスケール出来ない問題をマーケティングで解消できるのではないかと過剰気味に注目されている
カスタマーマーケティングが生まれた背景
- カスタマーサクセスの労働集約型モデル(ハイタッチ)の限界
- 既存顧客からの収益の優位性
- カスタマーサクセスにかつてないほど関心が高まっている
- Google 検索でも 3-4 倍に
カスタマーサクセスの労働集約型モデルの限界
ハイタッチ型カスタマーサクセスは、労働集約モデルの限界にぶつかりがち
- 日本での主流は CSM がつく「ハイタッチ型」
- 日本のスタイルにフィットするが、顧客・事業がスケールするとリソースが間に合わない
- 顧客数の増加と比例して CSM が必要になる
- いずれスケールする手法が必要
- テックタッチへの関心の高まり
既存顧客からの収益の優位性
- SaaS における新規 ARR の 30-50% は既存顧客からのアップセルとエクスパンション
- 1ドルのアップセル収益を獲得するためのCACは、新規顧客を獲得するコストのわずか37%
- 新規顧客を獲得するよりも既存顧客から収益を得る方が効率的
「カスタマーへのマーケティング」というアイデア
- カスタマー ≒ 既存顧客
- カスタマーサクセスの次にくる波:「カスタマーマーケティング」 ( SUCCESS LAB より引用)
- カスタマーマーケティング=「購入後の顧客を対象としたマーケティング」
- 顧客となった後にマーケティングすることの重要性
- ポストセールスの10%をカスタマーマーケティングにむけるべき
カスタマーマーケティングはポストセールスのフェーズにおけるマーケティングの役割を担う
LTV 向上だけでなく、デマンドジェネレーションにも効く
- カスタマーマーケティングが間接的、中長期的に波及する
- BtoB 購買プロセスは 84% は紹介経由である
- 口コミから導入のケースは多い
- 動機としても強い(信頼性・共感)
- 事例はマーケティングコンテンツとして優秀
- デジタルの世界で認知度をあげるには、膨大なコストがかかる
- 口コミから導入のケースは多い
狭義から広義のカスタマーマーケティングへ転換する
- 特定の部門だけではなく、全社視点でカスタマーサクセスのためのマーケティングへ転換する
- カスタマーサクセス仕様にアップデート
カスタマーマーケティングを実践するためのヒント
- ① 目的はカスタマーサクセス
- マーケティングを前面出すことは控えた方が良い
- ② 潜在/既存顧客両方を対象にする
- ③ スケール
- 1:N でレバーを効かせる
- ④ アドボケイト
- プロダクトを代弁してくれる人を確保する
カスタマーマーケ のファネル
カスタマーマーケティングの持つ 蜜と毒
- カスタマーマーケティングの「蜜」
- カスタマーサクセスをスケールできる
- LTV 向上に加えて、デマンドジェンにも効く
- 既存顧客だけでなく、潜在顧客にも効く
- 正しい顧客に届く
- 先行顧客の事例から、顧客との期待値ギャップが抑えられる
- 大規模な投資が不要
- マーケティングに対して抑えられる
- アドボケイトを見つけ・確保する手間はかかる
. .. 盛況で「zoom」が停止するトラブルが ... ....
- カスタマーマーケティングの「毒」
- 新しいがために定義が曖昧
- 組織と業務が曖昧
- 必要なスキルセットを持つ人材の不足
- 価値観の分断リスク
- 車輪の再発明リスク
- 組織と業務が曖昧
- 所属組織や KPI がどっちに寄せるのか
- テックタッチとの違いや業務役割分担
- 事例は誰向け(既存?新規?)とするのか?
- 必要なスキルセットを持つ人材の不足
- カスタマーサクセスとマーケティングのスキルセットどちらが必要
- 両方持つ人はそう多くない
- 心はCS、体はマーケが理想
- カスタマーサクセス
- ホスピタリティ
- お客様と伴走
- 顧客課題ドリブン
- マーケティング
- スケール
- PDCA
- ゴール・数字ドリブン
- カスタマーサクセスとマーケティングのスキルセットどちらが必要
- 価値観の分断リスク
- マインドセットも異なる
- マインドセットが異なることを前提としておかないと両者での良い循環が得られなくなる
- CS は一人一人に寄りそう傾向が強い
- スケールや共有が不足するケースも
- マーケはゴールが先行して、個別に添えないケースも
- マインドセットも異なる
- 車輪の再発明リスク
- 既にある車輪を新しく作成してしまう例え...
- お互いの状況を知らずに進むことで非効率な施策を取ってしまう
- 既にある車輪を新しく作成してしまう例え...
カスタマーサクセスとマーケティングの間に溝を作らないために
- カスタマーサクセスは、全社の課題であると認識する
- 人は、自分が理解したいことを理解する生き物
- お互いがお互いの未知の部分を学び合う姿勢をもつ
- 自分の理解の枠組みを超えている物事や、異なる価値観を無視せ直視する
- そこから学び成長は生まれる
カスタマー”サクセス”マーケティング
- 全社視点でのカスタマーサクセス実前に向けて既存のマーケティング機能そのものを「カスタマーサクセス」オリエンティッドにアップデートする
- CS / マーケの協力なタッグが不可欠
まず何をすれば?
- 一人目のアドボケイトを見つける
- そこが機転になり施策やアイデアの起点になる
収益向上に向けたカスタマーサクセスと営業の連携と役割分担
登壇者
- 株式会社セールスフォース・ドットコム 飯島 祥史 氏
- 株式会社ユーザベース 今村 和広 氏
- CSカレッジ 代表 / 株式会社ABEJA カスタマーサクセス責任者 丸田 絃心 氏
理想を語る
カスタマーサクセスがもたらす収益向上とそのための組織体制の在り方
- CS の収益貢献
- リニューアルとアドオンビジネスの推進
- アップセルを得ていく
- The Model 式の営業 x CS 体制
- 多様なベストプラクティス
- リニューアルとアドオンビジネスの推進
- The Model
- Salesforce の顧客獲得・維持・拡大モデル
- THE MODEL
- マーケティング >>> インサイドセールス >>> 外勤営業/SE >>> サポート/定着化支援
- 新規の場合は、左から右の流れ
- 既存は右端から左端へお客様への機会をトス
- いかにアドオンを狙うのでなくて、顧客がいかに成果・機能するかで必要な機能・サービスを提案する
- ユーザベースでは、導入が確定したお客様は、アカウントオーナーごとオンボーディングとして CS に引き継いでいる
- 商材やお客様ごとに柔軟にモデルに+アルファを実施・チャレンジしている
- 組織体制
- カスタマーサクセスグループ
- カスタマーサクセス:いかにお客様に活用してもらえるかを追求
- コンサルサービス:有償コンサルティングサービス
- テクニカルサポート:仕様等の問い合わせ窓口
- リニューアル:契約更新に関する対応窓口
- 現時点の体制で、模索中であり、常に変化している
- 理想は多様にあるが、それは今後進めていく
- 営業 からカスタマーサクセスへの要望
- 営業段階から戦略や訪問を一緒に向き合ってくれると助かる(受注前)
- カスタマーサクセスから営業への要望
- The Model は分業ではなく協業。全てのお客様にはケアすることが困難。
- 受注後も営業がカバーしてくれて、まさに協業できている
- カスタマーサクセスグループ
現状と課題に向き合う
収益向上=サービスのインフラ化への道筋 - [Before] プラットフォーマーになる上での課題 - [After] プラットフォーマーになった後の課題
- ビジネスの中核となる, マストハブ
- サービスを使う上での文化・思想が顧客で浸透している状態がインフラ化になっていると言える
- 難しい課題でもある
- 組織の壁
- トライ&エラーを続ける実行力と持久力が大事
- HowToUse ではなく WhyToUse 部分
- 難しい課題でもある
- Why がないと How はすぐに消えてしまう
- その先に Value がある(価値の創出)。
- CS と営業の現状の課題
- 重複する部分の効率化
- お客様のためになるかが重要
- 売るだけではなく、どのようにして課題を解決するか
- リソースの制限
- 知恵を出して実行する必要がある
- どれだけ協業できるか?
- お客様にどれだけ興味を持てるかが重要
- パルスでも取り上げられていた。テクノロジーが効率化されずぎて、ヒューマンタッチができていていない
- 増えた顧客の理解をどうしているか?
- 自社のプロダクトが思想として顧客理解にフィットしている
- 役職や部門に関係なく顧客様の声を聞きにいく
- 重複する部分の効率化
課題の解決に向けて
今後のカスタマーサクセスと営業の連携分業の方針 - リモート環境下の取り組み - 新たなコミュニティの創り方 - 顧客との共創の加速 - ニューノーマル時代の新しい CS の形
- 顧客とオフラインで会えない部分を高頻度でのタッチでケアしている
- 1回の時間を短くし、回数を増やしている
- オンラインとオフラインを組み合わせていく
- コミュニティのオンラインシフト
- オンラインの恩恵として、コミュニティの活性化
- ドリームフォースもオンラインで開催予定
- 顧客の声を拾い上げて、プロダクトへ反映することも多くできている
- コミュニティのオンラインシフト
- 今までのナレッジに、今回のオンラインでのナレッジを追加し、新しい形を模索していく
まとめ・メッセージ
カスタマーサクセスを営業の連携方法を模索する人へのアドバイス
- CS のミッションや役割定義の設計
- 解約阻止だけでない顧客の声の代弁者になる
- 火消し役だけに回るだけではなく、プロダクトを成長させ、顧客のビジネスを成功に導ける重要な役割
- カスタマーサクセスがどんなミッションを持っているかを明確にするのが重要
- なんとなくバズワードでカスタマーサクセス部門を設立すると立ち行かなくなる
カスタマーサクセスがプロダクトを進化させるたった1つのコツ! 成功するCS×開発連携のポイント徹底解剖
登壇者
- 株式会社SmartHR 高橋 昌臣 氏
- 株式会社ビズリーチ 鈴木 雄太 氏
- ワークスモバイルジャパン株式会社 萩原 雅裕 氏
立ち位置を確認
- PMM : Product Marketing Maneger
- 新しいプロダクトを開発した際に、責任が曖昧になることがあっため、責任者としての役割
カスタマーサクセスチームと開発チーム間の定例どんな感じ?
- ビズリーチ様
- 企画 MTG(PM, PMM):週1回 、1時間
- プロダクトの開発進捗状況や将来の構想など
- 要件(リファインメント)(開発, 限定 CS)
- スプリントレビュー(開発, 限定なし CS):
- CS から現場に投入したことを想定したフィードバック
- 企画 MTG(PM, PMM):週1回 、1時間
- SmartHR 様
- 開発スケジュールにあわせて実施
- 要望を解説する会(開発, CS, 営業など)
- 顧客からの声・要望を詳細に背景や議論をする場
- リクエストをあげたが、背景が伝わらず、反映されないケースがあったため開催
CS 活動で得られたカスタマーインサイトやVoCをプロダクトへ反映って、実際どうやっているの?
- リクルートメントサクセススコア
- お客様と CS でスコアリングして、共通する声を反映する仕組みを設けた
- リリーススピードが遅いという印象を与えてしまった
- CRE
- 顧客の不安や不満に特化した開発チームを作成
- CS と密に連絡して、小さい開発を迅速に対応し、解消していった
- ロードマップを考える会で要望を盛り込んでいる
- エンジニア中心の文化の中では、どのように伝えるのが効果的でしょか?
- 顧客との商談に同席してもらうなどは効果的
ぶっちゃけ On-boardも Up / Cross-sell も、もっとプロダクトでカバーして欲しい?
- プロダクトと CS をあわせて、サービスとしてとらえている
- 時期やリソースによる。
- 理想としては On-board はプロダクトでケアしたい
いい話ばかり聞くんですけど、CS と開発が喧嘩してた話とかないの?
- 以前は開発からクレームはあった
- 顧客の期待値コントロールに関するトラブル
- 誤った仕様を顧客に伝えてしまった
- 開発から CS へのレクチャーはあったのか?
- CS 各自だったので、統一していった
- 次の機能リリースの説明会を行うことも解決策の一つ
- 開発から CS へのレクチャーはあったのか?
- CS が想定した機能と開発が開発した機能に差異があった
開発チームと「カスタマーサクセス」の認識バッチリあってるなー、と感じた CS x 開発連携エピソード
- カスタマーサクセスと開発で前提が異なるため、そこを揃えることに注力した
- スクラムの中で、どういった経緯で検討し、判断したのかを言語化して伝えた
- カスタマーサクセスから要望ではなく、課題を伝達してもらえるようになった
- 双方で循環が見られる時
- サクセスが共有されるのは開発も嬉しい
- 開発と最も連携している ビジネスサイドの部署がカスタマーサクセス
- カスタマーサポートや営業からのリクエストもありはあるが相対的にはカスタマーサクセスが多い
- 優先順位はどうつけている?
- 事業戦略やフェーズによって、判断している
今後の課題
- お互いの認識をあわせていく
- ずっと 10点であることはなく、常に確認し、変化していく必要がある
- 一つの場・解だけではなく、複数の機会・レイヤーで取り組んでいるのが最適
- 思いついたことをまずは実施している
- 声を拾う方も重要だけども、正しい価値を届ける方も重要
CSツールのプロダクトマネージャーが語る!CSを全社浸透させる3つのポイント
登壇者
- 株式会社ODKソリューションズ 河合 勇治 氏
本日のポイント
- 認識を変える
- 共通指標の考え方
- カスタマーサクセスを支える共通基盤(プラットフォーム)
試行錯誤の末の課題とは?
- 情報収集 >>> 試行錯誤の活動 >>> 課題に直面 - 全社的にカスタマーサクセスの重要性を理解してもらえない - カスタマーサクセスが孤立してしまっている - トップダウンでチームが生成されただけ - "活動を任せれば良い" という誤解が生じる - 「顧客がサービスを使って聖子王することで継続する」というアウトカム視点を取り入れた結果、その概念や活動を指す言葉として カスタマーサクセス がある
認識を変える
- カスタマーサクセスは、
カスタマー作成チームが実践することプロダクト組織全体に、認識を変える
指標の設定
- よくあるカスタマーサクセスチームの指標
- チャーンレート / リニューアルレート
- ネットリテンションレート(NRR)
- プロダクトの根幹である「リテンション」に関わる指標をカスタマーサクセスチーム "のみ" に負わせるのは "NG"
- チャーン(解約)は、様々な要因からたどり着いた結果
- リリースされた機能に魅力がない
- プロダクト開発チームの問題
- サービスを使いたいけど使いこなせない
- カスタマーサクセスチームの問題
- サービスが思っていたのと違う
- セールスチームの問題
- リリースされた機能に魅力がない
- つまりチャーンレートや NRR はプロダクト組織全体が負うべき共通指標である
- 共通指標を各チームの KPI の分解する
- 各チームが各々の KPI に向かって行動する >>> 自動的に共通指標につながる >>> 結果として、メンバー全員が共通の目的「カスタマーサクセス」に向かう
- アウトカムの視点を必ず取り入れる
共通基盤(プラットフォーム)
- プロダクトお組織全体でカスタマーサクセスを推進するための情報を集約する共通基盤が必要
- 顧客基本情報、ライフサイクル、契約上などの基礎的な情報
- 各チームが KPI を追いかけるための情報
- PDCA を循環させるための分析基盤
- 各チームが日々 KPI を追いかけ、かつ共通指標であるチャーンレートや NRR を常時確認しつつ継続的な改善を促す分析を可能とする基盤が必要
- プラットフォーム事例
CS組織がぶつかる壁と、乗り越え方 〜教科書には載っていないリアル〜
登壇者
- ベルフェイス株式会社 小林 泰己 氏
- ワークスモバイルジャパン株式会社 萩原 雅裕 氏
- 株式会社リンクアンドモチベーション 杉山 晴香 氏
CS 組織の立ち上げ経緯
- そもそも CS 組織を作る必要があるかは要検討した方が良い
- 経営上の優先順位は低かった
- 組織化しなくても回るフェーズだった
- サービスの知名度や理解は既に熟成されていたため
- 事業フェーズが変化にあわせて、SMB など市場の広がりとともに導入先のセグメントが変わり、支援が必要となった
- ハイタッチ CS は別に存在していた
- 組織化する背景や目的を精査した上で立ち上げた
- 8チームの経緯
- オンボーディングチーム
- カスタマーグロースチーム
- カスタマーマーケティング
- エンプラ特化カスタマーマーケティング
- エンプラ顧客は 1:N にはならない(内部的に性質が異なる)
- テクニカルサポート
- QA チームも含めている
- プロダクトチーム
- エンジニアではなく、顧客とエンジニアをつなぐ
- CS イネイブルメントチーム
- サービスフェーズが初期にはサービスの普及に CS が必要だった
- CS セクションラベルであり、他部門でも同様のミッションを持っている
組織作りで上手くいった点、必ず実施している点
- 採用に関して、CS 特化した人は求めなかった
- 市場が成熟しておらず、人材がいなかった
- カスタマーサクセス に必要な課題感がフィットする方を求めた
- 経営者に かスタマーサクセス の重要性を認識、バックアップしてもらう(もらえている)
- 現場レベルでもカスタマーのためなのかを意識する文化が根付いている
- チーム作り・採用について
- 既存社員からアサインをするケースが多いが、どういった社員が適切なのか?
- カスタマーサクセス経験者はいなかったので求めなかった
- マーケティング出身者、セールス出身者、プロダクト精通者がミックスされた人材が集まった
- 必要なスキル・カルチャーにフィットすることを重視し、期待値にギャップが無いようにして、メンバーを集めた
- 言語化し、すり合わせすることが重要
各フェーズの壁と乗り越え方
- 【壁】 社内でもカスタマーサクセスへの期待値が多様で、齟齬が起きている
- その部分のすり合わせが課題
- 【壁】 コアメンバーと関連部署ではスピード感が異なり、常に変化がしているのに追従するのが大変
- 【乗り越え方】 仮説・検証の繰り返しなので、変化することは前提として割り切る必要
- 【乗り越え方】 小規模なチームで、ループを早く回すことで消化していた
- チームの規模が大きくなった際に、認識に齟齬がうまれてします
- 顧客に価値届いていますか?
- 顧客からのフィードバックで、サポートや競合との差異がわからないと伝えられた
- 実際にはコンテンツ自体はある
- 「価値デリバリー」を重点テーマとすることにした
- プロダクト
- コンテンツ
- ヒト・リレーション
- 以前は、ここまではなかった
- 顧客との距離が遠くなり、リリースするだけでは認知されづらい
- 社内で発信があったものが、社内でも理解ができていない
- 情報量、スピードがあがることでキャッチアップできなくなっている
- 届ける内容にばらついている
- 良いループが回っていない
- 顧客へ提案の前に、まずは社内理解・浸透をやり切る
- 認識を社として統一した上で、顧客に届けやすくする
- 顧客へ提案の前に、まずは社内理解・浸透をやり切る
- 価値デリバリーは2ステップ!!
- 社内
- 顧客
- 最適なものはまだまだ検討が必要、みんなで考えていきたい
- テクニカルサポートチームでも起きている課題
- 顧客からのフィードバックで、サポートや競合との差異がわからないと伝えられた
CS×ファイナンス: VCから見たカスタマーサクセスのファイナンス的重要性
登壇者
- GMO VenturePartners 株式会社 宮坂 友大 氏
VC から見たときに CS が重要か
- CS プロセスを通じて得られるものが、顧客への対峙=ビジネスの肝そのものだから
- 顧客設定、ペイン、ソリューション、成功体験、 TimeToValue/use、マジックモーメント、プラインシング、満足度、追加購入
- 一つの部署に閉じられたものではなく、経営レベル
- CS プロセスなくして経営は(今も昔も)成立しない
- 以前から語られていたなくてはならないもの
- SaaS のビジネスモデルにより、近年フォーカスされた
- 今後はますます重要となる
- CS がイマイチだと、結果として数値はもちろん顧客解像度も低くなり、将来への期待の確信がもてない
- 事業性・成長性が見えない
- 投資に踏み込めなくなる
- グロースに必要な資金が十分に集まらない
- 自社の価値(自社総額)の評価につながる
- 先を見る(5−10年)ときに
- KPI を指標として求められるようになる
- CS は将来の企業価値に直結する活動
- 先を見る(5−10年)ときに
僕が注意していること
- CS 思考がない組織・経営者が多いと失敗確率が高い?
- CS が経営課題なため、顧客の問題解決にリンクしないアクションに終始する
- パフォーマンスが悪い、無駄が多い、スピードが不足する
- CS が経営課題なため、顧客の問題解決にリンクしないアクションに終始する
- シード期に CS 担当不在は許容されるが、CS 的発想がない会社は事業が立ち上がらない傾向にある
- シリーズA 以降は担当不在であれば、かなり評価を下げる
- 例えば、実行していること
- CS の観点から事業を見て、解像度をよりあげる
- 担当不在の場合: 経営陣にその思考がどの程度あるかを確認する
- 担当がいる場合: その方にお会いして、事業の成長可能性/難易度を直接ヒアリングする
- CS レポートを細かく確認する
- レポートの確認を優先順位高く位置付けている
- 仮説、解決方法、デリバリーの当初とのギャップが見えてくる
- チューニングを促し
- 経営陣と将来の方向性をディスカッションする
- その場に CS の方に参加してもらい意見をもらうことや周囲の反応を見る
- 解像度を高めることが出来る
- 外部のリソースを使って、社内に閉じないで成功ノウハウの共有を促す
- CS の観点から事業を見て、解像度をよりあげる
CS がイケてたけど失敗したケース
- 「CS が優秀=会社/事業の成功」とは必ずしもならない
- 理由は、プロダクト・マーケティング・営業・バックあオフィスとの連携、会社としての意思決定が有機的に連携しないいと継続的な成果は難しい現実がある
- 失敗する可能性が高くなる
- 何の KPI を負うのか優先順位が決め切れていない
- 経営レベルで把握すべき定性課題や定量的データの共有が遅れ、検証・判断が遅れる
- 経営陣が CS で出た課題とその重要性/緊急性を把握し切れていない
- その先に何が待っているのかを想像出来ない
今後の CS のあるべき姿
- 会社に絶対必要なのは、CS=ここにいる皆さん
- 活躍の場を CS チームの中に留めず、他部署/経営を巻き込み、CS マインドを組織に定常的に定着させる役割
- 顧客の情報、反応、何が求められているか、我々は何をすべきなのかを明るくポジティブに発信+忍耐を持ってできる役割
- 組織に対し、CS 観点での営業/プロダクト/バックオフィス/経営の在り方を提案しましょう。人や組織は必ず変化します
- 株主と CS 観点で議論しても面白いかも。彼らも皆さんの声を求めています
- 人数規模としてはまだまだだけど、必要な人材であり、仲間を広げていく活動を期待しています
CS×企業カルチャー: 企業がカスタマーセントリックに変わるとき
登壇者
- colong株式会社 / 株式会社チームボックス 岡田 奈津子 氏
- 株式会社ユニリタ 尾上 雄馬 氏
- 株式会社リクルートライフスタイル 松原 史典 氏
前提
- CS 実現には全社で取り組む必要がある
- CS の存在や意味を知ってもらう必要がある
- 企業カルチャーが壁となっている=顧客に向いていない
企業カルチャーは変えられる?
- カルチャーの変革は「壊してつくる < じっくり育む 」
- 企業カルチャーは建物ではなく庭である
- 完成までに時間がかかる
- 企業カルチャーは建物ではなく庭である
- 企業カルチャーとは?
- 組織カルチャー:見えない
- 組織カルチャーを顧客にむかせる必要がある
- 見えにくいために、変革させるのが難しい
- 行動・習慣を変化させることで浸透させていく
- 組織カルチャーを顧客にむかせる必要がある
- サービス・プロダクト:見える
- サービス・プロダクトを通じて、顧客に組織カルチャーが見えている
- 大企業レベルなど通じない、伝わりづらい
- 組織カルチャー:見えない
変革前夜 - スタート地点で起こっていたこととは? -
- チャーンの痛みが経営陣をカスタマーサクセスに向かせるきっかけになる
- プロダクトの継続率に変化が見られる
- 市場とのギャップ
- かつての成功体験が足かせになってしまうケースがある
- 企業規模が多いと、既存事業で成功してものがあるため、新規に注力し、既存まで回らない
- 既存顧客のチャーンを新規顧客で帳尻をあわせる発想が根付いている
- メインフレームが大きな収益源だったが、時代の変化にあわせてビジネスモデルの変革の必要性を感じた
- 顧客から厳しい指摘を受けた
- オープンな場所にあったことで、フィードバックを受けれたとも考えられる
- 理念の作り直しを実施した
- 顧客から厳しい指摘を受けた
- サービス単位でも顧客数が増える中で、チャーン率があがってきた
取り組んだこと
- 顧客からのフィードバックから企業理念を作り直した
- 社名を変えて、刷新した
- 経営陣のリードで大きく変革した
- サポートとデリバリを兼任していたがために、中途半端になっていた
- チーム制にし、CS も立ち上げた
- カスタマーセントリックが危機感でスタートしたが、How がわからなかった
- 簡単には変わらない
- ボトムアップで構築
- 経営陣の決断(トップダウン)も必要だが、それだけでは不十分で、ボトムアップの両輪が必要
- 結果指標に注目する習慣を変革するため、キーマンを集めて、熟成することにした
- 外部リソースを活用して、将来的に得られる効果・アウトプットイメージを提供することで、内発的な動機を高めた
- 閉じた世界から外に意識がいき、行動することになったモチベーションは?
- カスタマーサクセスの思考に共感した
- 仕組みで担保した
成功談、失敗談
- ターニングポイントは?
- 大きな売り上げがあがるようになってから、社内での見方が変わった
- 経営陣には売り上げがインパクトある指標、解約率などでは理解がされない
- CS が重要であると認識されたこと、カルチャーとして浸透していった
- 施策の優先順位など具体的なレベルになった際に、試行錯誤になってしまった
- ベンチャーは PDCA のスピードが早い
- そこに知見として学び、自社の観点を融合させて What を決めていく
まとめ
- 伝統的な企業では、既存部分と融合させていくことで、社内でも理解が得られやすい
- カスタマーサクセスは、企業規模や種別を超えていくテーマ
- まずは自分でやれることを実施していくのも大切
- 文脈に Yet をつけると「今はできないだけ」という意味合いになり、目の前の壁に挫けそうな時に、希望が持てる
【基調講演】忖度なし!実際の顧客が語るユーザー視点でのCSの価値
登壇者
- コミューン株式会社 高田 優哉 氏
- ヘイ株式会社 志村 友輔 氏
コミューンが考える CS
- commmune
- ノーコード
- 直感的なダッシュボード
- CS が価値創出にコミット
- カスタマーサクセスの重要性は SaaS に留まらず社会全体で高まっている
- LTV 思考シフト
- ユーザーの発信力向上
- 消費者市場縮小
- 世の中の SaaS は(a)と(b)に二極化
- (a)「利用」推進のための CS
- 課題解決に直結したサービス
- (b)「活用」推進のための CS
- 導入するだけでは解決にはいたらない
- クライアントと伴走しエンドユーザーに価値を提供するビジネスモデル
- カスタマーサクセスを中心としたハブアンドスポーク型組織が事業成長を牽引
- カスタマーサクセス思考で他部署も顧客に対応する
- CS の優劣は、企業評価を大きく変える
ユーザー視点で捉える CS の価値
- STORES
- SaaS 検討の際に大事にしていること
- 社内で実装、解決ができないか
- 誰でも扱えるか
- 目的が明確か
- 長期的に効果を期待できるか
- SaaS 提供企業からの支援を受けることができるか
- 導入は自社でやるものだが、不安もあり、支援があると安心できる
- commmune 導入は、カスタマーサクセスの支援が決め手に
- EC カスタマーサクセス組織構成
- ハイタッチチーム
- ロータッチチーム
- テックタッチチーム
- commmune 導入の背景
- オーナーさんとのタッチポイントが少ない
- サポート体制の人員不足
- サービスとしての競合優位性を強めたい
- 定性的な価値を高たい
- 施策スピードが向上
- 双方向のコミュニケーションにより、理解度が向上
- コミュニティ内のカルチャー熟成や参加者同士の互助関係は課題
- 定性的な価値を高たい
- ツールとしての効果最大化に、コミューン CS の支援が機能
- 効果を創出するための提案、アドバイザリーに付加価値
Q&A
- コミューンに限らず SaaS ユーザーとして、オンボーディングなどで不満に感じたことはありますか?
- 最初の段階では、問い合わせやサポート数に制限をかけないでもらえると嬉しい。まだまだ不安がある。
- 導入が進むにつれて、SaaS 提供側の時間は減少し、質をあげるモデルにする必要がある
- コミューンの SaaS の良さは?
- 抽象度が高い課題へのノウハウ提供が手厚い
- 顧客自身がどの程度 SaaS を活用できているかをフィードバックされるとありがたい
- 根本的・長期的な目的に対する支援してもらえるので理想
- SaaS 企業以外でも CS は必要
- 既存顧客の成長は重要なポイント
さいごに
DAY2 も非常に濃密な内容でした。実際の部署間や組織内での課題からベンチャーキャピタルまたは利用者からの視点からの評価といったユニークなセッションもあり、また違った切り口からカスタマーサクセスの重要性を知る機会となりました。走り書きな部分もあるため、登壇者の方が意図されていない表現となっていた場合はご指摘いただけますと幸いです。
前夜祭も含め、貴重なナレッジに触れることができたことを運営の皆様に感謝をしたいと思います。ありがとうございました!
( 次は赤本にチャレンジしながら自分の業務に転換できる部分を探そう...